「私を支えてくれた人たち」
兵庫県 中学校二年
ちょうど今から二年前、私はすぐ後にひかえる中学入試のために、一日も休まずに勉強をしていました。もちろん不安もあるけれど、頑張ってきたことが自信に繋がっている。最後の一週間も、同じ目標を持つ仲間とともにラスト、追い込んでいこう。そうやって前向きに頑張っていた時でした。私は新型コロナウイルスに感染してしまったのです。幸い、試験は受けられることになりましたが、勉強ができない。その上、自分の部屋に隔離され母以外とは会えない、という状況に私の精神はどんどん不安定になりました。「私なんか受かるはずないんだ。今までの怒力は無駄だったんだ」と、マイナスのことしか考えられずにいました。そんな私の唯一の心の支えは母が持ってきてくれるデザートでした。母の手作りのチーズケーキやミルクプリンは私の弱った心を温めてくれました。祖父がついてくれたおもちや、父がわざわざ遠くまで買ってきてくれた大好物のマカロンがデザートだった日は、うれしくて胸がいっぱいになりました。閉鎖された部屋の中にいた私は、家族の優しさに触れる度に子どものように涙を流しました。私は一人じゃないと思えました。
また、友達が持ってきてくれた大量のお菓子がデザートとして差し入れられた日もありました。「合格えびせん」にはられた付箋に「がんばれ!」の文字が見えた時の感動は忘れられません。私はその時、私には応援してくれる人がいるんだということを思い出すことができました。
家族や友達の愛が込もったお菓子の贈り物は、私に安心と自信をくれました。お菓子のちからをもらう前の暗い気持ちのままでは、受験に成功し、毎日が充実した今の自分はいなかったでしょう。私に温もりと優しさをくれた家族のみんな、ありがとう。私を元気づけ、応援してくれた友達のみんな、ありがとう。私を奮い立たせてくれたお菓子の力、ありがとう。